片頭痛の治療 最近のあれこれ

こんにちは。副院長 渡邉(り)です。今年もあと2週間ちょっとなんて信じられませんね。

片頭痛ブログ、気づいたら半年も放置しておりました・・・。患者さま以外の色んな方面からの反響が思ったより大きく、少し控えていたのが実情です。すみません。

最近の低気圧でけっこう片頭痛患者さまにはつらい日々が続いたのではないでしょうか?片頭痛外来を受診される方も多かったですし、御多分に漏れず、私自身も先日朝から「少し痛いかな?大丈夫かな?」レベルで薬を忘れて出かけてしまい、夕方帰った時にはかなり頭痛がひどくなって久々にきつかった、というエピソードがあります。やはり片頭痛持ちはどこに行くにもお薬を忘れたらいけませんね!みなさん「職場用」「車用」など、いくつもポーチに入れ分けて準備しておられます。発作が起こったら早めに薬を飲む、これとても大事です!

 

さて、半年も前に「20年ぶりに片頭痛の新たな内服薬が発売となったというお知らせをしていましたね。

薬剤名は「レイボー錠」というお薬で、片頭痛の発作の時に頓用として飲むお薬です(予防薬ではありません)。今まで片頭痛の発作時の頓用薬は「トリプタン系」が特効薬として主流だったのですが、トリプタンで副作用が出ていた方にも飲める別の系統のお薬として発売されました(詳しくは前回の片頭痛ブログ参照)。

あのレイボーの効果は一体どうだったのか?自分や患者さまの効果をこちらでご報告していませんでしたね。

まず私自身で言えば、感想「まあ効く」。トリプタン独特のスーッと頭痛が引いていくあの実感はあまりなく、「いつの間にか少し軽くなってる?」という感じでした。大体30分くらいだったでしょうか。私は特にめまいなどの副作用は起こりませんでした。

しかし、患者さまにおいては結構な頻度で「めまい」の副作用を訴えられた方が多かったです。中には「立っていられない」くらいのめまいだった方もいました。もちろんめまいは全員に起こるわけではなく、中には50㎎でも頭痛が軽くなると言われる方もおられます。製薬会社的には「レイボーはめまいが起こりうるから、寝る前に飲むように」指導をと言われていますが、なかなか頭痛ですぐ横になって休める環境の人は少ないのが現実ですよね・・・。当院ではそのような理由でなかなか広がらないのが現状です。

 

あと、片頭痛発作予防の注射薬については、エムガルティは以前のブログで自己注射ができるようになったとお知らせしておりましたが、現在はアイモビーグやアジョビも自己注射ができるようになっています。まずは外来にて注射の指導、練習を行ってから持ち帰ることができるようになります。ペン型ですので割と気軽にできやすいと評判です。

あと、もうひとつ。アイモビーグには副作用「便秘」がありますが、片頭痛は抑えられたけど便秘が辛くてアジョビに切り替えた患者さまも当院では1名いらっしゃいました。便秘薬を併用してもいいかもしれませんが、その方はお薬を増やしたくないというご希望がありました。でも結果的に片頭痛にはアイモビーグの方が効果があったとのことです(その方の個人的な感想です)。便秘がひどいと選択も難しいところですね・・・。

 

今回はこのように片頭痛治療に関する最近のあれこれをご報告させていただきました。年末年始はごちそうや飲酒の機会、外出が増えますので、片頭痛の方は大きな発作が起こらないように気を付けてくださいね。お出かけの際は必ずお薬を忘れないようにどうぞ♪ みなさまどうぞよいお年をお迎えください。

 

40年近く片頭痛に振り回される私の人生。たくさんの方々に迷惑をかけ、自分自身も体調不良に悩まされてきました。同じように片頭痛で苦しむ方々が今後少しでも楽になるよう願っております。そのお手伝いができるよう私たちスタッフも頑張ります。

片頭痛でお悩みの方や、その治療にご興味のある方はお気軽に当院までお問い合わせください。

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