片頭痛の新しい内服薬

こんにちは。副院長 渡邉(り)です。連日カラッと快晴で暑く、梅雨入りを関東に先越されてしまったのんびり屋の熊本です。

片頭痛持ちにはどんよりしたく曇り空もつらいですが、眩しいお日様の光や急激な気温上昇も刺激になり、頭痛発作のきっかけになってしまうのです。言い換えれば「大変デリケートな人々」だと思ってくださると助かります・・・。

さて、梅雨前後は片頭痛の受診が通常よりぐっと増えます。やはり気圧や気温の変動の大きさが原因です。「梅雨が来る前にこの頭痛を何とかしておきたい」と言われる方が多いです。

今日はそんな方にも朗報です。実に20年ぶりに片頭痛の新たな内服薬が発売となりました。6月8日発売。まさにホヤホヤのお薬です(当院にもちゃんと当日に入荷しました!)。片頭痛に悩む方にとっては「今までのお薬と何が違うの?」と興味津々の方も多いかと思います(私もそのひとり)。

薬剤名は「レイボー錠」というジタン系のお薬になります。片頭痛の発作の時に頓用として飲むお薬です(予防薬ではありません)。今まで片頭痛の発作時の頓用薬は「トリプタン系」が特効薬として主流だったのですが、トリプタンは脳の神経や血管のセロトニンに働き頭痛の原因物質が出るのを抑制していました。 血管をぎゅっと収縮させる作用があるため、狭心症のように胸が苦しく感じる副作用が出ることがあります。狭心症や脳血管障害のような心血管系の疾患がある患者さまも服用できませんでした。

しかし「レイボー」同じセロトニンでも、セロトニンの中でも1F受容体というレセプターを選択的に結合し、痛みシグナルの伝わりを抑え、また末梢神経では三叉神経の過活動を抑制し、頭痛を起こす物質の放出をブロックするという作用機序(つまり中枢・末梢ダブルで効く)なので、血管がぎゅっと収縮しにくいのです。トリプタンで服用後に胸が苦しくなるような副作用があった方にも使いやすいお薬になっています。また狭心症や脳血管障害などの心血管系疾患がある方も飲めます。 今のところ適応は18歳以上です。妊娠中の方にも有益性が上回る場合は注意して使用しても良いと記載されています。

100mg錠と200㎎錠がありますが、まずは100mg錠から開始し、十分な効果がなければ24時間以内に合計200mgまでなら追加内服OKとなっています。

臨床試験では服用後30分くらいから効果が出てくるようです。頭痛消失の効果もプラセボに比べ有意差がみられたとのことです。片頭痛持ちとしては、もやもやとした頭重感が残らずスッキリ消失してくれるといいな・・・と思いますよね。消失時間の持続もしっかり有意差がみられているようです。

気になる副作用としてはふわふわした「浮動性めまい」や「眠気」が多いようです。しかし片頭痛自体でめまいや眠気といった症状も起こるため、これが薬剤のせいだけなのかはよくわからないようです。やはり私の持論、「片頭痛の薬を飲んだらしばらくは目をつぶって休む」これが一番副作用を抑えながら効果を発現させるコツなのではないでしょうか。眠気やめまいの危険性があるため、「服用後は自動車の運転や危険な機械の操作は避けましょう」、と注意事項にあります。出現してもだいたい数時間でおさまるようですので、それくらいを目安にされてはいかがでしょうか。

★ちなみに発作の時に頓用として使うお薬なので、ほかの頓用薬同様、「予防的」に飲まないでください。

「トリプタンだと胸が苦しくなり使えなかった」「トリプタンの効果が不十分」という方には朗報だと思います。私も次回発作が来たら是非自身で使ってみようと思っています。早速希望されて処方された患者さまもいらっしゃるので、効果はまたこちらであわせてご報告しますね。

 

40年近く片頭痛に振り回される私の人生。たくさんの方々に迷惑をかけ、自分自身も体調不良に悩まされてきました。同じように片頭痛で苦しむ方々が今後少しでも楽になるよう願っております。そのお手伝いができるよう私たちスタッフも頑張ります。

片頭痛でお悩みの方や、その治療にご興味のある方はお気軽に当院までお問い合わせください。