昨年10月に日本高血圧学会はナトカリ比の目標値を初めて発表。腎臓病などの持病がない、健康な人の実現可能な目標値を「4未満」と定めました。
このナトカリ比とは何かというと、尿に含まれるナトリウム(塩分)とカリウムの比率を指す言葉で尿中のナトリウム濃度をカリウム濃度で割って算出されます。
このナトカリ比を下げることで、血圧も下がるということが今注目をあびています。
このナトカリ比は検査キットや病院などで調べられますが、実際は前日の食事などの影響で大きく変化するうえ日常的に把握するのは困難です。
そのため本日は食事で簡単にナトカリバランスを摂り入れる方法をご紹介します。
◆まずカリウムの働きを説明します
ナトリウム(塩分)の過剰摂取は血圧の上昇を招くといわれている一方、カリウムは体内の余分なナトリウムの排出を促す働きがあることが知られています。
慢性的な塩分の過剰摂取は、むくみや高血圧につながりやすくなります。 さらに、血圧が高い状態が続くと慢性腎臓病や動脈硬化、脳卒中など命に係わる病気を発症するリスクが高まると言われています。特に高血圧は症状がほとんどないため放置する方が増えています。
そこでおすすめしたいのがナトカリ比が下がるような食事を心がける「ちょい足し」です。例えば今日は塩分を摂り過ぎたからほうれん草の和え物を足しておこうという発想です。
◆カリウムを多く含む食品をご紹介します
野菜、いも類、大豆製品(納豆や豆腐など)、肉や魚で多いのは豚肉、マグロ、ホッケ、サバなど。また果物ではバナナ、メロン、キウイ、アボカドが豊富です。
◆簡単に摂り入れる方法として
- カット野菜を利用して野菜の摂取量を増やす、和え物などの小鉢を1品増やすなど
- 麺類にカットわかめやとろろを入れる
- 納豆やバナナをプラスするなど摂り入れる
- おやつに焼きいもやナッツ類を摂り入れる
など…
◆ポイント
カリウムは水溶性なので、野菜などは水につけ過ぎない、また茹ですぎないことがポイントです。茹でる野菜などは少量の水で電子レンジ調理すると、カリウムが水に溶け出しにくくなります。
◆注意
腎機能に障害がある人は、重症度によっては体内のカリウム濃度が高くなり不整脈などを起こす高カリウム血症のリスクがあるため摂取が制限される場合があります。 自己判断せずに医師に相談されて下さい。
特に野菜を摂る機会が少ない人や食事量が少ない人は、この機会に意識してみましょう。 ぜひ減塩だけではなくカリウムも意識した食事を心がけてみて下さいね。 当院では食事内容を確認し、実行可能なアドバイスを中心とした栄養指導を行っていますので医師にご相談下さい。